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日本で上映される今月の韓国映画

祝・劇場再開! 「6月の韓国映画」前半戦

劇場再開後の韓国映画は盛りだくさんだ。

まずは1月から日本でも公開され、米国アカデミー賞4冠に輝いた『パラサイト 半地下の家族』の新たな2バージョン(モノクロVer. &IMAX)の上映が決定。ほかにも2PMのジュノやSHINeeのミンホの出演作が公開される。

 

『パラサイト 半地下の家族』(モノクロVer. & IMAX

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映画あらすじ

一家の主キム・ギテク(ソン・ガンホ)は失業中。息子ギウ(チェ・ウシク)は大学受験に落ち続け、娘ギジョン(パク・ソダム)も予備校に通う金すらない。内職で日々を繋ぐ彼らは“半地下住宅”で暮らす貧しい家族だ。ある日、名門大学生のミニョク(パク・ソジュン)がギウに、家庭教師のアルバイト先を紹介する。

ギウが向かったのは高台に建つ大豪邸。IT企業のパク社長(イ・ソンギュン)の自宅だった。すべてに圧倒されながらもギウは、パク家の美しい妻ヨンギョ(チョ・ヨジョン)に提案する。「もう一人、紹介したい家庭教師がいます」と。

後日、彼とともに豪邸を訪れたのは妹のギジョン。一家の信用を得たギジョンはある仕掛けをする―。

 

公式サイト: http://www.parasite-mv.jp/

 

 

白と黒の世界で見る「高台の豪邸」と「半地下の部屋」

アカデミー賞4冠で世界中を沸かせたポン・ジュノ監督作品がモノクロとIMAXになって帰ってきた。

韓国の格差社会をブラックユーモアたっぷりに描いた作品だが、笑っているうちにどんどん沼へと引きずり込まれていく。

映画のディテールにこだわるポン・ジュノ監督の演出“ポンテール”は、モノクロ版で一体どのように変化するのだろうか。

 

『パラサイト 半地下の家族』
(原題:『寄生虫』/2019年/韓国/132分)
モノクロVer.は6月5日(金)より、IMAXは翌週6月12日(金)より全国公開
モノクロだからより漂う“ニオイ”

 

『色男ホ・セク』

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映画あらすじ

妓生(キーセン)だった母親を幼い頃に亡くしたホ・セク(イ・ジュノ)は、父親が誰か知らぬまま妓房で育てられた。妓房の経営者で叔母のナンソル(イェ・ジウォン)も妓生たちも彼には大切な家族だ。

その妓房が経営難と知ったセクは“朝鮮初の男性妓生”になることを決意。すると、これまで男社会の中で抑圧されてきた女性や、夫に先立たれた烈女たちがイケメン妓生に癒やされようと店に殺到。たちまちセクに魅了されていく。

一方、セクは偶然出逢ったヘウォン(チョン・ソミン)に心をときめかす。ヘウォンを想う両班の子息ユサン(コンミョン)にライバル心を燃やしながらも、身分を偽っていることに罪悪感を募らせるセク。そんなとき思いもしない事件が―。

 

公式サイト: http://hark3.com/hosek/

 

 

ジュノが朝鮮王朝時代初の“イケメンホスト”に!?

2PMのジュノ主演。昨年7月に韓国で公開され、28万7千人を動員。5urpriseのコンミョンがライバル役を演じている。ファン以外は見る必要のない映画と思われそうだが、娯楽映画のようでいて当時の階級社会や抑圧された女性たちの様子が描かれている。

現在、人気スポットとなっているソウルの益善洞はかつて妓生たちが暮らす街だった。

 

『色男ホ・セク』
(原題:『妓房の郎子』/2019年/韓国/110分)
2020年6月5日(金)より全国順次公開(シネマート新宿、シネマート心斎橋では6月12日(金)より公開)
途中、「Wonder Girls」のヒット曲の歌詞まで飛び出す!

 

『長沙里9.15』

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映画あらすじ

北朝鮮の猛攻を受け敗走していた韓国軍は、戦況を打開するためマッカーサー将軍の指揮下で大規模な上陸作戦を計画。後に語り継がれる“クロマイト作戦(仁川上陸作戦)”だった。

この奇襲上陸を成功させようと、軍の上層部は無謀ともいえる陽動作戦を発動。「長沙里(チャンサリ)に上陸せよ」と命じられたイ・ミョンジュン大尉(キム・ミョンミン)らが率いるのは、訓練期間わずか2週間、平均年齢17歳の772人の学生兵たち。使い古された武器とわずかな弾薬、そして最小限の食料だけを支給された彼らはらはまさに「捨て駒」だった。

それでも祖国のため、愛する者たちを守るため、降り注ぐ銃弾を受けながら、部隊は決死の上陸を試みるが―。

 

公式サイト: http://klockworx-asia.com/jangsari/

 

 

歴史に埋もれた学徒兵たちの悲劇

772人の学徒兵たちによる長沙里上陸作戦。SHINeeのミンホが学徒兵ソンピル役を熱演している。韓国では昨年9月に公開され、観客動員数は114万人。

本編のうち半分以上が戦闘シーンで、学徒兵たちの生い立ちが見えてきたのは後半になってから。切なさを覚える一方で「朝鮮戦争」や「仁川上陸作戦」については少し予習が必要だ。

 

『長沙里9.15』
(原題:『長沙里:忘れられた英雄たち』/2019年/韓国/104分)
2020年6月5日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか順次公開予定
中心的な役割を果たすミンホの姿が素晴らしい。

 

『未成年』

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映画あらすじ

父テウォン(キム・ユンソク)が不倫していることを知った女子高生ジュリ(キム・ヘジュン)。不倫相手はなんと問題児として知られる同級生ユナ(パク・セジン)の母ミヒ(キム・ソジン)だった。

ジュリはユナに対し、母親の不倫を止めるよう忠告するが、激しい口論の末、ユナは母親が妊娠していることを告げる。お腹の子の父親がテウォンであることをジュリの母ヨンジュ(ヨム・ジョンア)にまで暴露してしまう。

思いがけない状況に戸惑い、現実から目を背けようとする両親の姿に傷つくジュリ。

一方のユナも、娘を顧みず不倫に走った母の姿を見て深い孤独を感じていた。そんな中、2つの家庭を決定的に揺るがす、ある事件が起こった。

 

公式サイト: http://klockworx-asia.com/miseinen/

 

 

不倫した父親のダメっぷりが半端ない

演技派俳優キム・ユンソクの初監督作品。多感な時期、衝撃的な事実を知らされる女子高生の姿を中心に話が展開していく。若干、キャストの魅力が乏しいように感じられるかもしれないが、2019年4月に公開された本作は29万人の観客を動員するなど大健闘。キム・ユンソク演じる父親のダメっぷりが思いのほか面白く、観客を飽きさせない。

 

『未成年』
(2019年/韓国/96分)
2020年6月5日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開

ダメな親でも子は育つ!

text:児玉愛子